動いている世界は狭いけど、見ている世界は広いのかもしれない。
昨日、住民健診の採血の時に失神しかけて、隣のはるんちゅと一緒にやろうと思っていた畑仕事が出来なくて、私の代わりにやってくれた。
ススキと雑草で覆われている私の畑を見かねて、耕運機で耕してくれると言ってくれてたのだが、イノシシ対策で畑の周りが腰ぐらいまので高さのワイヤーフェンスで囲まれていて、耕運機を入れる入口のワイヤーを切らないといけなかった。それを、昨日、やってくれてた。
明日の朝に第二段階やろう!と言われたので、今日の朝は少しだけ早く起きて、畑に向かうと「向かってるの見えたから来たさー!」と、いつものようにニコニコ。
浜から砂をもらい、軽トラに詰め込み、フェンスと畑の間にある溝を埋める大作戦、開始。そのフェンスの溝は排水用でもあり、溝を埋める前にパイプを入れないといけない。
「あ、パイプ忘れた。」
そして向かったのは、海。
「向こうにパイプかけてあるから引っ張れるかー?」
えーーーーーー!(笑)
海からパイプ拾ってる!!!(笑)
海から引き揚げたパイプはだいぶ上等で、完璧だった。
「これ誰かからもらったんですか?」
「海からもらったさ、早い者勝ちだよこれは(笑)」
冗談が上手。
2回「歩かさないと*」いけないはずだったトラックも意外と1回だけで大丈夫だった。
*この場合は、2往復という意味。
溝埋め作業もパパッと終わらせて、木陰でマンゴーを半分こ。そこにやってきたもう一人のはるんちゅ。
この方は、私に、ほとんどうちなーぐちでしか話さない。通訳は、朝から一緒にいるはるんちゅにお願いしながら、私は共通語*で返す。たまーに、何言ってるか分かるときは、通訳なしで自分で返す。そのときは、二人とも、笑顔になる。
*共通語とは、日本語のこと。
3人で10時のなかゆくい*しながら、コーヒーを飲み、おしゃべり。うちなーぐちで話しているので、聞きながら意味を考えながら、話し方やイントネーションがとても心地いい。美しいメロディーを聞きながら、畑の奥の山の方に目をやる。
*なかゆくいとは、途中休憩のこと。
これは私の畑と、後ろの山。
(?????!??!??)
(!?!?!?!?!?!?!!!!)
(!!!!!!!!!!!)
「あれ、芭蕉ですか?山の方にあるやつ!」
「あー、あれは糸芭蕉だよ。」
「えーーーーーーー!私ね、芭蕉布欲しかったの!」
「あんた、一から作るのか?笑」
「糸芭蕉あるなら作りたい!」
「夢物語だ。笑」
そう言いながら、隣の集落に芭蕉布を織っている人がいると教えてくれた。
それから液肥の作り方を教えてもらったりしながら11時に解散。
私はすぐ、山の奥の方に行き、糸芭蕉をこの目で見たかった。道を間違えながら、ようやくたどり着いた。美しい世界が広がっていた。
糸芭蕉に話しかけて、なんで今まで、半年以上いたのに、気づかなかったのだろう。
それはきっと、潜在意識の問題だと思う。最近は「芭蕉布が欲しい」と思うようになり、あわよくば作りたいと思っていた。だから、糸芭蕉が見えた。ここにあるよ、って言ってくれているみたいだった。
もう、嬉しすぎて嬉しすぎて、全てに感謝した瞬間だった。
幸せに満たされながらまだ挨拶していなかった畑にお昼の挨拶。去年育てていたオクラを採種していて、それを植えていたのですが、あまりにも葉っぱが大きく、茎が大きく、つぼみが全然出てこないので「あー、F1かもしれない…」と諦めていたのが、
開花。
ちゃーんと花粉もあって、受粉している様子。週明けには収穫できるだろうか。嬉しかった。
お次は大根。3日前に種まきしたものが発芽していた。幸せMAX。
ナスの様子を見に行く。3ヶ月ほど前に植えた島らっきょうは芽を出していなくて、土の中で枯れたと諦めていてそこにナスを植えていた。雑草を手入れしようとしていると、明らかに雑草らしいけど絶対に雑草じゃない子がいて、葉っぱをちぎって食べてみると、なんと、島らっきょう!!!!
えーーーーーーー!
やばい!やばい!やばい!!!!
他にも植えていた場所があるからそこをチェックしてみると?生えてる!!!!
嬉しすぎて嬉しすぎて。
島らっきょうは、9月下旬ごろが植え時期らしいけど、それを知らなかった私は6月に植えていた。島らっきょうは今の今というタイミングまで土に中で待ち、今、命をつなげている。
嗚呼、なんと幸せな。
畑にいると、色んな気づきがある。普段見えないことも、見えてることも、全部ひっくるめて幸せになれる場所。
本当に畑が好きなんだなーと思う。
うちなーぐちで話しかけてくれるはるんちゅがいたり、いつでも助けてくれるはるんちゅがいたり、幸せにしてくれる畑があったり、大切なことに気づかせてくれる虫たちがいたり、子供たちが元気をくれたり。
どれも、家から車で5分圏内。
動いている世界は狭いけど、見えている世界は、もしかしたら、広いのかもしれない。
咲いてくれてありがとう、オクラさん。